7月10日開幕の高校野球新潟大会、第2シードの関根学園は甲子園初出場を狙う。

持ち味は最後まで諦めない粘り。好機に強い5番・大竹直樹捕手(3年)が、打撃でチームの特徴を体現する。初戦の相手は長岡農-見附の勝者。90年の高田工(現上越総合技術)以来30大会、31年ぶりの“上越市内から甲子園”を目指す。

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重圧のかかる場面ほど、大竹の心は躍る。チャンスに立つ打席は、最大の燃える材料だ。「好機に打席に立つのは楽しい」。春の県大会は打率3割9分1厘。打点は10で、得点機にチームを救ってきた。2回戦の帝京長岡戦(4○1)は、1-1の7回1死満塁で勝ち越しの2点左前打。4回戦の日本文理戦(6○4)では、4-5の9回2死満塁の場面で左中間への逆転サヨナラ2点二塁打を放った。春の勝負強さを、夏にも見せる。

大竹は「夏は打ち勝つ試合をしたい」と言う。その準備は、冬場から行ってきた。冬季は1日1000スイングが自分に課したノルマ。早朝の素振りも日課にしていた。長野県小布施町出身で寮生活。午前6時半に起床して寮の掃除をするのが決まりだが、その30分前に起きて自主トレを繰り返した。強肩の捕手で、昨年の計測時の遠投は95メートル。「相手投手との対戦も楽しい」と打席では、捕手の視線で配球を読む。

昨秋は北信越への第3代表決定戦で東京学館新潟に3-2で勝った。今春は決勝で新潟産大付に2-3の敗退。「取ってないのは優勝だけ」と大竹は夏に県の頂点を狙う。春の北信越大会開幕前には、両親から白いバッティング手袋をプレゼントされた。「何でもいいから文字を刺しゅうして欲しい」とリクエストして、できてきたのは「負けじ魂」と縫い込んである手袋。両親の期待も背負う大竹は、夏に負けるつもりはない。【涌井幹雄】

◆大竹直樹(おおたけ・なおき)2003年(平15)11月12日生まれ。長野県小布施町出身。小布施中卒。野球は小2から始め、小布施リトル、同シニアと硬式野球ひと筋。右投げ左打ち。174センチ、83キロ。血液型AB。