<高校野球滋賀大会:栗東4-1彦根総合>◇1回戦◇皇子山球場

彦根総合のメンバー表に「1」が並んだ。学年だ。滋賀大会1回戦。スタメンを勝ち取ったのは9人の1年生だった。

変化が起きたのはこの春。北大津を率いて春夏通算6度の甲子園に導いた宮崎裕也氏(59)が監督に就任。29人の1年生が入部した。部員数は約3倍に。4人の3年生は当初、この変化に戸惑うこともあったという。「強豪校に入部したつもりではなかったので」と笑うのは青山瑠己亜主将(3年)。だが、こう言葉を続けた。「戸惑いもあったけど、なによりも勝てるうれしさがありました」。

この日、3年生で最初に登場したのは青山だった。3回2死満塁で救援登板。わずか1球で抑え、ピンチを脱した。その後も続々と3年生が交代出場。9回までに全員がフィールドにたった。スタンドが最も沸いたのは4点を追う9回表。「絶対に打ったろ」という気持ちで打席に臨んだ青山が左前打。このヒットが呼び水となり、1点を返すことに成功した。

試合後のインタビュー。「後輩たちには監督を甲子園に連れて行ってほしい」。青山の顔は、晴れ晴れとしていた。【清水駿斗】

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