新発田南が17-1の7回コールドで新潟第一を破り、3年ぶり初戦突破を果たした。3-1の7回表に打線が爆発。この回、打者19人10安打の猛攻で一挙14点。攻撃中に雷雨で1時間31分の中断があったが、集中力は途切れなかった。

快音が響き続ける。そのたびに一塁側の新発田南ベンチが沸き、塁上がにぎわった。口火を切ったのは5番打者のエース菅原隆聖(3年)。3-1の7回表無死二、三塁から右中間を破る2点三塁打。この回の先頭から3連続安打でリードを4点に広げた。

3番本間崇大遊撃手(3年)から始まった攻撃が、1死を取られたのは13人目の打者の時。この時点でこの回すでに12点を奪っていた。菅原はその直前のイニング2打席目で中前2点適時打を放ち、2安打4打点。「つなぐことを意識した」とチーム打撃に集中した結果だった。この回の10安打のうち長打は3本だけだった。全員がチャンスを途切れさせないよう一丸になった。

6回までは2点差の接戦だった。7回に相手投手が交代した機を逃さなかった。「タイミングを合わせて打てるようになった」と小柳徳之監督(57)は言う。打者2巡目に入る直前の無死満塁で、雷雨のため中断。再開まで1時間31分を要した。この間、小柳監督は選手に食事を取らせた。「時間がかかりそうだった。序盤から競り合っていたし、リラックスさせたかった」。再開後には8点を追加。ナインはアクシデントを“充電時間”に変えていた。

新発田南にとっては19年の春季県大会以来の公式戦勝利。夏の初戦突破は18年以来になる。この年は2勝して3回戦に進んだ。「大会前の練習試合では競り勝った試合が多かった」。菅原は自信を強調する。そして「相手を気にするではなく自分たちのパフォーマンスをしっかりしたい」と15日のシード校・五泉との2回戦に目を向けた。【斎藤慎一郎】

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