糸魚川が8-3で三条商に勝ち3回戦進出を決めた。公式戦初先発の丸山悠生投手(3年)が8安打3失点で完投。初回に3失点も2回以降は無失点で11奪三振、138球の熱投だった。昨夏の独自大会4強の上越は長岡工に6-1。昨夏も経験した3番山岡柊捕手(3年)が先制打を含む5打数4安打2打点で打線をけん引した。柏崎工は8-6で十日町を振り切った。3番村松弓響(ゆおと)左翼手(3年)が1回表に先制の左越え適時二塁打。3回までに8点を挙げた打線の口火を切った。

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最後の打者を投ゴロに打ち取ると、丸山の表情が和らいだ。初の先発マウンドで138球を投げた。疲れは感じない。「9回を投げ切れてうれしい」と1試合マウンドに立ち続けた余韻に浸った。

初回に2安打とスクイズで3点を失ったが「みんなが打ってくれると信じていた」。期待通りに1回裏、打線は3安打に敵失を絡めて4得点。その後は直球とカーブのコンビネーションを軸に2回以降は6安打無失点。奪った三振は11で、四球2と制球もさえた。

この夏が本格的な投手デビューだ。昨秋まで捕手と兼任だった。今春から投手に専念する予定で冬場に本格的にメニューに取り組んだ。だが、捕手陣に負傷者が出て、春先の練習試合は捕手での出番がほとんどだった。準備段階での不安は日ごろの努力で解消した。自主トレで自宅周辺3キロのランニングをこなした。夏が近づくとダッシュを加えてスタミナアップを図った。

深井浩司監督(59)が「もう半年早く投手に専念させていれば今以上に力のある球を投げている」と評価する能力が、夏の初戦で開花した。3回戦(18日)の相手はシード校の東京学館新潟。「私学が相手だと燃える」。丸山は闘争心をちらつかせた。【斎藤慎一郎】