今秋ドラフト候補の阿字悠真投手(3年)を擁する滋賀学園が、逆転勝ちで3回戦進出を決めた。先発の阿字は6回まで3点を取られるも「チームのバッティングを信用しながら気を楽に投げられた」と、最速146キロのキレのある直球を軸に要所を締めた。

本人は「打たせてとるピッチングを意識した」と話したが、スプリットやチェンジアップ、さらに今年から取り入れたカーブを含め、多彩な変化球を交えながら10個の三振も奪った。攻撃でも、仲間が6回に四球と2本の長打で2点を返し、なおも1死一塁で阿字に回ってくると、同点に追いつく中越え二塁打のタイムリーを放ち、自らを助け7回の逆転につなげた。

1週間前、かつて福留(中日)らとともに、日本生命で投手としてプレーした父から電話で激励の言葉をもらったという。「この夏最後やから勝負しろ。気持ちで頑張れよ」。さらに大会が予定通り行われれば、決勝のある29日は、阿字が4歳の時に亡くなった母の誕生日にあたる。「優勝のプレゼントをしたい」。家族のためにも最高の夏にする。