巻(新潟)が新井に延長11回サヨナラ勝ちした。2-2で迎えた1死満塁。アルバニア人のバロリ・ブレアルブ一塁手(3年)が初球スクイズで16強入りを決めた。

悔しさがバロリの集中力を高めた。前の5番打者が申告敬遠。「(前打者の)申告敬遠は(9回に続き)2回目。怒りも込み上げてきた」と初球に食らいついた。外角直球を、長いリーチを生かして転がした。「うれしい。一番大事な場面で決められた」。9回は2死二塁で5番が歩かされた。何度も得点圏に走者を置いた打席で結果を出せなかったからこそ、6打席目での小技成功に笑顔だった。

両親ともアルバニア人で、アルバニア国籍ながら日本生まれの日本育ち。サッカー大好き少年だったが新潟で観戦したDeNA-巨人戦で野球の魅力にはまったという。勝見邦弘監督(54)は「チャンスに時々、打つので期待していた」と評したが、この日はバントで存在感を見せた。【涌井幹雄】