帝京長岡は村上に10-3で7回コールド勝ちした。8-3の7回2死三塁で背番号1の茨木秀俊(2年)が公式戦で初めて代打で登場。カウント2-1からの初スイングが2ラン本塁打になった。温存されたエースが「打」で勝利に貢献した。

初めてずくめの本塁打が背番号1、茨木のバットから生まれた。8-3の7回2死三塁で公式戦初の代打の打席に立った。カウント2-1からの直球に対しての最初のひと振りが、左翼柵越えの2ラン本塁打。今大会の初スイングで、公式戦初本塁打だった。「最初は緊張で足がガクガクした」と話したが、破壊力抜群の1発が7回コールド勝ちを決めた。

芝草宇宙監督(51)は「今日は打つ方で行かせましたけれど、まさかね。やっぱり、何かを持っている」と茨木を評した。この日の代打起用はプラン通りだった。試合前に「代打で行くぞ」と本人に告げていた。茨木も夏の初打席に備え、ベンチで相手投手を観察し、出番を待った。「しっかり、フルスイングしよう」と心に決めて立った打席で鋭い一撃。以前は投球がメインも、春以降は練習で打撃練習を全体の3割の割合に増やしてきた。芝草監督は「投球も、打撃も吸収能力がある」とほめた。

20日の4回戦は日本文理と対戦する。初戦2回戦の小千谷西戦(12○0)は大川寅一(ともかず=3年)が1人で投げ、この日は菊池健太(3年)から幌村黛汰(だいた=2年)の継投。エース茨木は“温存”した形だ。芝草監督は「登板の機会はあると思います」とけむに巻くが、8強が懸かる日本文理との大一番でエース投入は濃厚だ。茨木も「機会があったら全力でいきたい」。今度は本来の役割の「投」で貢献を誓った。【涌井幹雄】