全国高校野球新潟大会の準決勝が7月25日、ハードオフ新潟で行われる。

日本文理のキーマンは1番打者の土野奏(はの・かなで)二塁手(3年)。4試合連続マルチ安打を記録中の切り込み隊長が打線に火をつける。

初の4強入りを決めた開志学園は4試合で59得点と打線も好調だが投手陣も侮れない。初戦2回戦、2イニングのみの登板で沈黙を守ってきたエース須原将哉(3年)。苦境を乗り越えベストコンディションで準決勝に臨む。

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日本文理の絶好調男・土野が大一番の新潟明訓戦でもチームを勢いづける。「チームのためになることをしたい」。4試合連続で2安打をマークし、ここまで16打数8安打2打点。1番打者として初回の攻撃では4試合中3試合で出塁。打席が回れば仕事をする。

鈴木崇監督(40)は「リードオフマンの役目を果たしてくれている。新潟明訓戦でも期待している」と信頼を寄せる。日本文理は2回戦で新発田中央、3回戦は長岡、4回戦が帝京長岡、そして準々決勝は関根学園と強豪を撃破しベスト4に進んだ。厳しい試合が続く中、土野がチャンスに絡んできた。

春季県大会後、7種類のティー打撃と40メートル先の野手のもとに確実に打ち返す打撃練習で、タイミングの取り方やボールを捕らえるポイントを安定させた。昨秋からパワーアップにも成功。ベンチプレスの最大重量が65キロから85キロにアップ。「逆方向への当たりが強くなった」。実感した成長部分が夏の結果に表れる。

東京都出身。日本文理が17年夏の甲子園で2回戦に進出したときの1番打者、飯田涼太中堅手(上武大4年)を見て、入学を意識した。飯田は160センチ、自身は162センチ。「飯田さんは小さいけど打力がある」と目標にしてきた。あこがれの先輩から「変化球は下半身を意識して打つように」などアドバイスをもらった。その恩返しは2年ぶりの甲子園出場。「あと2つ、勝つ」。決意を新たにした。【斎藤慎一郎】

◆土野奏(はの・かなで)2003年(平15)9月23日生まれ、東京都出身。二之江小1年から野球を始める。二之江中では少年硬式野球の東京江戸川ボーイズに所属。日本文理では昨秋からベンチ入り。162センチ、64キロ。右投げ左打ち。

○…日本文理の鈴木監督は「ここまで勝ち上がってきたことに価値がある」と今大会の最激戦区から4強入りしたナインをたたえた。エース田中晴也(2年)は4試合すべてに先発し完投が2試合、3試合で100球以上投げた。「ここからは3年生の番。打って田中を楽にしてやらないと」。鈴木監督は新潟明訓戦のポイントに3年生を中心にした打線の爆発を上げた。