近江が立命館守山を6-0で下し、3大会連続15回目の甲子園出場を決めた。

2年生右腕・山田陽翔(はると)投手とエース右腕・岩佐直哉投手(3年)が相手打線を2安打に抑える完封リレー。打線も6回までに6得点を挙げ完勝した。春山陽生(ようせい)主将(3年)は大会を振り返り、「しんどいことが続いたが、神様が最後にプレゼントをくれた」とほおを緩めた。

春の県大会。3回戦で立命館守山と対戦し2-3で敗れた。その後、多賀章仁監督(61)は部員を集め、言った。「今のままでは夏は勝てない。甲子園にいくということも口にするな」。突き放された3年生は春山主将を中心に何度もミーティングを行った。その結果チームの団結力、精神力は春とは見違えるほど強くなった。準決勝までの5試合で48得点5失点と投打がかみ合い、決勝の舞台で見事、春の雪辱を果たした。

主将をするために近江に入ったと言う春山に、多賀監督も「彼がいるから厳しいことも言えた」と絶大な信頼を寄せる。しかし、春山が背負うのは近江だけではない。「敗れた49チームの想いも背負って甲子園にいく。滋賀県に深紅の優勝旗を持ち帰れるよう、胸を張って戦いたい」。湖国・滋賀の代表が、甲子園に挑む。【清水駿斗】