智弁和歌山を21年ぶり3度目の頂点に導いたのは、同校OBで元阪神、楽天、巨人の中谷仁監督(42)だった。18年8月に監督就任し、前任の高嶋仁名誉監督(75)から名門校を引き継いだ。元プロ野球選手が葛藤して監督就任を受諾し、覚悟を決めて進み続けた3年間。苦悩の日々を乗り越え、伝統と革新を融合。中谷イズムが結実しての全国制覇だった。

◆元プロ監督が優勝 智弁和歌山・中谷監督は阪神、楽天、巨人で主に捕手としてプレーした。元プロ選手が監督として甲子園で優勝したのは、86年春の池田・蔦文也監督(元東急)以来。夏の大会も82年の蔦監督以来になる。中谷監督は97年夏に智弁和歌山で甲子園優勝、ドラフト1位で阪神に入団したが、ドラフト経験者の監督が優勝したのは初。また、選手と監督の両方で優勝を経験したのは08年春の比嘉公也監督(沖縄尚学)以来。