お兄ちゃん頑張れ~! 第94回選抜高校野球大会に21世紀枠で出場する只見(福島)は大会第4日、大垣日大(岐阜)と対戦する。只見中の酒井麗(うるは)さん、吉津就内野手、大竹蓮斗内野手(いずれも3年)には、地元の期待を背負って甲子園に向かった“兄”がいる。初戦を前に、弟と妹が、激励のメッセージを送った。【取材・構成=相沢孔志】

◆酒井悠来投手&怜斗外野手

酒井麗さんは、兄2人の活躍を心から願っている。センバツ出場校が決まる1月28日午後3時過ぎ。校舎の廊下で校内放送を聞き、兄の甲子園出場を知った。「全然予想もしていなかったし、行けると決まったときは、はしゃぎました(笑い)」と大喜びした。学校から帰宅後、長男悠来(はるく)投手(3年)と次男怜斗外野手(2年)に「すごいね。これからも頑張ってね」と伝えた。

小学4年の時、兄の影響でソフトボールを始めた。「試合の時に怜斗がボールをさばいているときがかっこよくて。お父さんに入りたいとお願いしました」。競技は小学校卒業まで続け、中学では野球部に入部。現在はスコアラーとして部員の成績表を作成し、ソフトボールの経験を生かして練習中にはノッカーを務めることもある。

春のセンバツ、夏の選手権をテレビ中継で見てきたからこそ、分かることがある。「(甲子園は)人生に1回行けるか行けないかというすごい大会」。人口3902人(2月1日時点)の町から、兄2人が聖地に向かった。「これから私の後輩になる子にも『只見の人たちはすごいところに行ったんだよ』と受け継がれて、野球がもっと広まってくれたらうれしいです」。誰もが憧れる場所で、ひたむきに戦う姿を信じる。

◆吉津塁主将

吉津就の兄は、チームを先頭で引っ張る主将の塁内野手(3年)。就は「本当に甲子園に行くとは思っていなかったので、すごく新鮮でうれしい気持ちです」。吉報が届いた瞬間は、友人と喜びを分かち合った。

4人兄弟の末っ子で野球が日常にあった。「小さい頃から兄の応援に行きました。自分もやりたいと思いました」。只見スポーツ少年団でソフトボールを始め、塁とは1年間プレー。「スポ少のときもキャプテンだったのでチームを引っ張って、良いプレーもしていてかっこよかったです」。一緒に素振りをした日々も覚えており、昨年は自宅の前でキャッチボールをし「(塁は)いつも全力投球でした」と笑った。

21世紀枠の東北地区推薦校に選出されて以降、一気に注目の的となった。「最近はテレビとかに出ていて本当にすごいと思うし、甲子園では良いプレーをしてほしいけど、楽しみながら頑張ってほしいです」。初戦は現地で観戦予定。スタンドから一挙手一投足に注目する。

◆大竹優真投手

大竹蓮斗の兄は、昨秋エースナンバーをつけ、センバツは背番号「7」で臨む優真投手(3年)だ。蓮斗は1月28日、甲子園出場が決まると周囲が「おめでとうと声をかけてくれました」と喜んだ。帰宅後は「ゆうま」と呼ぶ兄に「楽しんで頑張ってこいよ」とエール。夢見た舞台でのプレーが決まった優真は「野球をやっている弟は喜んでくれました」と振り返った。

蓮斗にとって優真は、かっこいい兄だ。小学2年の時に兄の影響でソフトボールを始め、優真は5年生だった。「声を出してチームを引っ張っていて、かっこいいなと思いました」。一緒に練習する機会も多く、キャッチボールの相手やノッカーを務めてくれた。ボールは「自分に合わせてくれて。スポーツ少年団のときはソフトボール、今は軟式ボールでしてくれました」。

大事な一戦に向け、さらに気合を入れ、自主練習に取り組む姿を間近で見てきた。「誰もが行ける場所ではないので、全力で楽しみながらプレーしてほしいです」と思いを込めた。