クラーク仙台(宮城)は花咲徳栄(埼玉)に4-5で競り負け、悲願の「全国制覇」はならなかった。1点リードの2回1死一塁から登板したエース佐藤衣吹(2年)が2回2/3を5安打4失点。緩急を駆使した投球を披露したが、ミスが絡んだ1点が最後まで響いた。4月には新入生8人が入部。学年の壁を越えたレギュラー争いで夏までにさらなる底上げを目指す。
こみ上げてくる悔し涙を抑えきれない。1点差勝負に敗れた佐藤衣は目を真っ赤にしながら言葉を振り絞った。「チームの苦しい場面で抑えることができなかった。負けは自分の責任。悔しいです」。1点リードで迎えた2回1死一塁から2番手で登板。後続を凡退に打ち取ったが、3回に1失点。3-2の4回には先頭打者の死球から3安打を許して3失点。逆転負けを喫した。
勝負を左右する「1球の重み」を痛感した。3-3の4回2死満塁。カウント1-2から投じた4球目を中前へ運ばれ、勝ち越しの2点を献上。許した3本の適時打は追い込んでからの失投だった。「カーブが浮いて、大事なところでコースが甘かった」。勝負球の精度向上など今後の課題は明確。佐藤衣は「もっとコントロールを意識し、長いイニングを投げられる投手になりたい。夏もエースとして日本一のマウンドに立ちたい」と雪辱に燃えた。
確かな手応えもつかんだ。習得したばかりだというツーシームが要所で決まった。相手打者の手元で小さく沈み、右打者には内角を突く。バットの芯を外し、打たせて取る投球術が光るシーンもあった。初戦の折尾愛真(福岡)戦では、先発し5回を3安打1失点。「覚えたばかりの球種が通用した。大会を通じての手応え」と振り返った。
4月からは1年生8人の新戦力が加わる。森山周監督(40)は「1年生の方が良かったら1年生を(試合で)起用する」と示唆。「チームとして競争して、新1年生と2、3年生の力を融合できればと思っています」とチーム力の底上げを図る。夏の日本一へ-。春の悔しさを胸に刻み、再出発を切る。【佐藤究】

