今春センバツ準優勝の近江が手堅い戦いで春の県大会を優勝した。序盤に主導権を握った。1回に2点を先制し、2回も攻め手を緩めない。津田基内野手(3年)の右越え適時二塁打と中瀬樹内野手(3年)の右前適時打で2点を加えた。センバツでも存在感を示した2人の連続タイムリー。投手も4投手の継投がハマり、1失点にとどめた。

多賀章仁監督(62)は「4人の投手でなんとか。副島が先発起用した形の成功だった」と振り返った。センバツはプロ注目で投打の二刀流の山田陽翔主将(3年)頼みだったが、投手陣が結果を出し、夏に向けて手応えを深めた。

山田は登板しなかったが4番として1回、1点先制直後の1死三塁で中前に加点タイムリーを放った。投打の歯車がかみあい「自分たちの目標は日本一。いいスタートダッシュを切れた」と胸を張った。

3月のセンバツは京都国際が新型コロナウイルスの集団感染で出場辞退したため、近畿地区補欠1位校として代替出場して準優勝。決勝では大阪桐蔭に1-18で敗れた。経験を生かし、春の滋賀戦線を安定した戦いで制した。5月下旬の近畿大会は大阪桐蔭が大阪府大会を勝ち上がれば、再び対戦する可能性がある。山田は「大阪桐蔭とは夏に勝負したい。弱気とかではなく、野球は夏なので。夏、甲子園で自分たちは次はリベンジする側。夏、甲子園でリベンジしたい」と話した。甲子園の借りは甲子園で返すつもりだが、激突すれば全力を尽くす。