東海大四時代の08年以来14年ぶり春全道制覇を狙う東海大札幌が、知内を下し6年ぶりの4強入りを決めた。プロ注目の最速149キロ左腕、門別啓人投手(3年)が9回137球6安打2失点(自責1)で完投。プロ10球団のスカウトが見守る中、この日最速143キロの直球と変化球を織り交ぜ14個の三振を奪った。

今春全道初登板の門別がマウンドで存在感を見せつけた。「球が走っていたので、自信を持って投げようと思っていた」。最速143キロの直球と変化球を低めに集め奪った三振は14個。9回137球6安打2失点でエースの仕事を十分に果たした。

立ち上がりのピンチにも全く動じなかった。1回2死一、三塁で左打者の外角低めに落とすスライダーで空振り三振を奪い無失点。4回には同点適時打を浴びたが、5回に援護してもらってからは要所を締め2失点にまとめた。「ピンチの場面で抑えられたのは1つの収穫」とうなずいた。

春先に体調不良で練習できない期間があった。体重は一時期7キロ減の80キロほどまで落ち込んだ。今は5キロ程度戻りベストの87、88キロに近づくなど、コンディションは上向いている。14日地区予選の札幌新陽戦では20奪三振。この日も三振数を重ね「コースやコントロール、落ち着いて1球1球集中して投げられているから取れていると思う」と自己分析した。

この日はプロ10球団のスカウトらが視察。今年初めて投球をチェックした日本ハム白井康勝スカウト(53)は「コントロールも安定しているし、投げるバランスがいい。ボール自体はまだこれから上がってくるでしょう」と期待した。

大脇英徳監督(46)も「ベストピッチングだったのではないかな」と評価。チームは春6年ぶりの4強入りを決め28日の準決勝で北照と対戦する。門別は「誰のバットにも当てられないくらいの強い球を投げて、無失点に自分が抑えてチームを勝たせたい」と力を込めた。【山崎純一】

●ベスト4に届かなかった知内・坂本拓己投手(3年) (門別との投げ合いに)同じ左投手として学ぶことがたくさんあった。自分も成長して夏に向かいたい。