ムネニイに続け-。ヤクルト村上宗隆内野手(22)の弟で、九州学院(熊本)のプロ注目の4番、慶太内野手(3年)が、2安打2四球で大勝に貢献。前日に兄からもらった激励のメッセージを力に変え、6回コールド発進を決めた。兄が1年生だった15年以来7年ぶりの熊本制覇へ、弟が優勝候補を率いて進撃する。

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第1シードでV候補筆頭の九州学院が、初戦から20安打20得点と猛打を爆発させた。その中心に座るのは、4番の村上慶太だ。現在セ・リーグ首位を走るヤクルトの主砲、村上宗隆の弟。左打席の構えや顔もそっくりで、5歳上の兄を「ムネニイ」と慕う。「刺激になります」と兄の活躍ぶりに発奮し2安打2四球。この日は“つなぎの4番”として猛攻を呼び込み、6回コールド勝ちに貢献した。

2、3打席目には右翼ポール際に2本の特大ファウルを放ち、兄譲りの非凡なパワーを披露した。「詰まっていた感じでしたが、自分の中では『そんな飛ぶか!』みたいな感じであそこまでいきました」。自身も驚きの弾道だった。

「最後の夏やし、頑張れ」。前日12日に「ムネニイ」からLINEで激励メッセージを受けた。慶太は「ありがとう。何かモチベーションの上がる曲ない?」と返信すると、Mr.Childrenの名曲「終わりなき旅」を勧められた。「今日(球場に)来るときに聞きました。(2安打は)それのおかげですね」と、照れ笑いで感謝した。

野球道具のほとんどは兄からプレゼントされ、手袋やグラブはおさがりを使っている。「本当に感謝です。結果で返そうと思っています」。兄が1年生だった15年以来、7年ぶりの熊本制覇を誓った。

偉大な兄は、昨季本塁打王の大活躍でリーグ優勝に貢献しMVPも獲得した。この日のナイターでは両リーグ最速で30号に到達し、3冠王も射程にとらえて大活躍中だ。比較されることも多いが「かわいがってもらいましたし、お兄ちゃんがあれだけ活躍している分、自分も注目される。逆にプラスに考えよう」と力に変えている。宗隆に負けじと、慶太も頼もしい。【只松憲】

◆村上慶太(むらかみ・けいた)2004年(平16)11月11日生まれ、熊本市出身。託麻南小4年から「託麻南小野球部」で軟式野球を始める。長嶺中では硬式の「熊本東リトルシニア」に所属。ポジションは一塁と三塁。3兄弟でヤクルト村上は2番目の兄。九州学院では1年秋からベンチ入り。高校通算6本塁打。好きな食べ物は焼き肉。趣味はサッカーゲームやメジャーリーグ鑑賞。応援している球団はヤクルト。189センチ、94キロ。右投げ左打ち。