プロ注目左腕の森下瑠大投手(3年)が初戦で涙をのんだ。先発したが3回4失点で降板。右翼の守備に回った。終盤に4点差を追いつく粘りを見せたが延長11回サヨナラ負けで力尽きた。

森下は進路について「上の世界でやりたい。プロ1本でいくと思います」と今秋ドラフトに向け、プロ志望届を出す予定と明かした。

涙はなかった。胸の内を表情に出さなかった。「ずっと春から悔しい思い、苦しいことが続いて、最後に甲子園に戻って来られて、楽しかった。でも悔しい気持ちが一番大きいです。自分が打たれてしまって流れが悪くなった。全然ダメだったと思います」。

初回に先制点をもらったが、その裏1死から3連打で追いつかれた。右中間三塁打を浴びて計3失点。変化球が上ずり、打たれたのはすべて直球。最速は初回に計測した140キロだった。3回は先頭への四球からもう1失点。投手交代の判断を下された。

「相手打者は全員スイングが鋭かった。直球が真ん中に入るのが多く、きっちり打たれた。マウンドで制球がつきませんでした」と完敗を認めた。

昨夏の甲子園でエースとして4強入りに貢献した。今春のセンバツは開幕直前のコロナ禍で辞退という悲運を味わった。さらに5月に左肘を痛め、回復が長引いた。京都大会準決勝で今夏初登板し、決勝で初先発、完投で優勝に導いていた。

NPB関係者が大挙して注目した大舞台で、本来の実力を発揮できなかった。それでも「プロに行くために京都国際に入らせてもらって、3回も甲子園(の土)を踏ませてもらった。その経験を生かして将来は侍ジャパンに入れる投手になりたい」と大きな目標を掲げた。https://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/202208060000067.html--