12年ぶり7度目出場の一関学院(岩手)が、延長11回、サヨナラ勝ちで02年以来20年ぶりの初戦突破を果たした。甲子園は5候補の京都国際が初戦で姿を消す波乱の幕開けとなった。

9回に同点に追いつかれたが5-5の11回裏、1死二塁から9番寺尾皇汰投手(2年)がサヨナラ打。「全力を出して勝てたので、うれしい気持ちでいっぱいです。(サヨナラの場面は)つなぐ打球を打とうと思ってました」と、殊勲打に笑顔だった。

打線はプロ注目の京都国際・森下瑠大投手(3年)を初回から攻略した。1回に先制を許したが、その裏、後藤叶翔捕手(3年)が1死一、二塁で同点の中前適時打。なお2死一、二塁で小松大樹主将(3年)が右中間に2点適時三塁打を放ち、勝ち越した。3回は後藤が左前適時打で追加点を挙げ、森下を3回で降板させた。高橋滋監督(50)「本当に最後まで集中力を切らさずに戦ってくれた。うれしく思います。苦しい試合だった分、20年ぶりに(甲子園で)校歌が聞けたのでうれしかったです」と、激闘を終えたナインをたたえた。

岩手大会では全6試合を戦い、今大会出場校最多の10本塁打。決勝では最速152キロの斎藤響介投手(3年)を擁する盛岡中央を3-2で破り、甲子園出場を決めた。これまで夏は3度初戦を突破したが、2勝目はなし。同校初の「聖地2勝」に1歩前進した。

昨夏4強で優勝候補に挙げられていた京都国際は森下が3回4失点で降板。9回に同点に追いついたが、初戦で姿を消した。