3年ぶり10度目の甲子園出場となった山梨学院は、試合巧者天理の前に1点が届かず惜敗した。先発は山梨大会後にエースナンバー「1」を勝ち取った山田悠希投手(3年)だった。6回を7安打2失点。試合後は「変化球が浮いたところを打たれた。ダメだなと思いました」と、敗戦の責任を負った。

初回、無死一、三塁の大ピンチを2三振などでしのぐと、2回、3回は連続3者凡退でリズムをつかんだ。最速は144キロ。山梨大会よりも2キロ球速を上げ、外角真っすぐの精度も高かった。投手戦の様相になりかけた4回、天理の4番戸井に内角135キロを左翼への二塁打を打たれ、ピンチを背負う。「天理打線を研究した時に、内角を1球使ってみるのもいいと思いました」とその理由を説明したが、甘く入った内角を痛打された。2死二塁から内藤に中前に運ばれ、先制点を奪われた。

「甲子園はとてもいいところだと思いました。バックスクリーンも大きくて、あこがれの場所を実感しました。高校に入った時から、背番号1を付けて甲子園で投げてみたかった。それが実現できたことは良かったです」。試合後はタオルで顔を拭った。「汗ですか」と聞かれるとすぐに「いえ、涙です」と答え、高校野球の終わりを受け止めていた。

吉田洸二監督(53)は「スターターとしての能力は榎谷よりも山田の方が上だと感じて先発にしました。コントロールがいい」と、先発起用の理由を説明した。「打てなかったことに尽きます。投手はよく投げてくれました」。先発山田の力投むなしく1点差に泣き、山梨学院の、エース山田の夏は終わりを告げた。

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