県岐阜商の先発を任されたのは、最速140キロ超の2年生右腕・山口恵悟投手だった。

岐阜大会初戦・本巣松陽戦も先発で2回を無失点で投げており、鍛治舎監督から「先発慣れしている」と託された。だが2回に3連打を浴び、この回途中5失点(自責4)で降板。先天性感音性難聴のため、左耳に補聴器をつけて臨んだ2年生は「甲子園のマウンドに立てたのはうれしかったけれど、すごく悔しい。来年も頑張るという気持ちを先輩に伝えたい」と来年のセンバツを目指す。

 

<県岐阜商のコロナ経過>

◆8月3日 抽選会に主将の伊藤颯希外野手(3年)が出席。「去年の分まで勝ち上がって全国優勝を狙えるように」と意気込んだ。

◆同4日 複数選手の体調不良者が出たため、5日の開会式リハーサルを欠席すると、大会本部が発表。

◆同5日 新型コロナ集団感染と判断。鍛治舎巧監督(71)は「ここでこういうことになるのが信じられない。非常に残念」と話した。発熱や喉の痛みを訴える選手が出ているといい、「すいませんでした、とおえつする選手ばかり。君のせいではないと伝えた」。

◆同6日 大会本部が新型コロナ感染拡大予防ガイドラインを一部改定。これまで集団感染の場合、日程変更で対応する規定だったが、新たに試合前の72時間以内に陰性と確認された部員なら誰でも、入れ替えによって出場可能になる措置を導入。鍛治舎監督はオンライン取材で「ウチから(感染者を)出してしまったが異例の対応をしていただいた。感謝申し上げたい」。

◆同7日 兵庫・西宮市内で練習を再開。約20人の選手が参加し、シート打撃で試合勘をチェックした。

◆同8日 予定通り9日第4試合で社と対戦すると、大会本部が発表。登録選手18人のうち10人を入れ替えた。