<全国高校野球選手権:仙台育英10-0鳥取商>◇11日◇2回戦

鳥取商が全国屈指の強豪相手に健闘した。5回まで0-0で、堂々と渡り合った。

11年ぶりの甲子園で初白星に挑んで善戦したが、終盤に打ち込まれて無念の初戦敗退。渡辺達郎監督(50)は「今持てる力を出し切ってよく頑張ってくれた。(全国大会のレベルを)後輩に間近で教えてくれた3年生に感謝です」と振り返った。

11年以降、甲子園から遠ざかっていた。憧れの場所を強く意識し始めたのは、夏の鳥取大会前の5月31日。阪神が西武戦の試合前練習を行う甲子園を訪ね、佐藤輝や糸井の打撃練習を見学した。渡辺監督は「甲子園がどんなところか、見せたいと思いました」。チームの士気を上げた。

昨夏は鳥取大会決勝で逆転サヨナラ負け。悔しさを糧に県覇者に輝いた。この日、先発山根は130キロ台の速球と緩い変化球で相手を惑わせ、5回まで無失点で流れを離さなかった。6回無死一塁で救援したエース岩崎が持ちこたえられず、この回一挙に5点を奪われて力尽きたが、2年生の山根は前を向く。「来年も出場したい。今年以上の結果を残せるように練習していきたい」。甲子園への思いがまた、強くなった。