バックスクリーン弾、一、二塁からの申告故意四球…。大会屈指のスラッガー、高松商(香川)・浅野翔吾中堅手(3年)の夏がド派手に幕を閉じた。

浅野は試合後、涙も見せず「後悔はないです」と言い切った。

大会No.1右腕の近江(滋賀)・山田陽翔(3年)との対決が注目された。中学時代にU-15日本代表でともに戦った仲間との初対決。3回表1死一塁から146キロの速球をライナーでバックスクリーンに突き刺した。今大会3本目、高校通算67号は「完璧でした。打った瞬間? そうです」。3万1000人の観衆がどよめく衝撃の1発だった。

2点を追う7回表1死一、二塁では申告故意四球を受けた。塁が2つも埋まり、結果的に満塁となるため、本人も「あの場面ではないかな、と思った。少しビックリでした」という。異例の敬遠にもマンモスは沸いた。

初回に左翼線二塁打、5回の第3打席は左前打。山田との対決は、3打数3安打1四球。「1度空振りしたんですが“真っすぐや”と思ったら、ストンと落ちた。“さすがやな”と思った」というライバルとの対決を「めちゃくちゃ楽しかったです」と満喫した。

主将として、主砲として、3度の得点機すべてに絡み、チームを引っ張った。長尾健司監督(52)が「キャプテンが引っ張るチームでした。もう1つ上の世界で、さらに成長してほしい」としみじみ語る。ゲームセットのあいさつ後、山田に「打ち過ぎや!」と言われた。勝負に勝って、試合に負けた浅野はプロ志望届を出し、さらに上のステージを目指す。

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