花巻東は盛岡大付に7-6で逆転勝ちし、6年連続で決勝進出。堀川琉空(りく)捕手(2年)が同点の代打満塁本塁打を放った。花巻東は、秋季東北大会(10月10日開幕、山形)の切符を手にした。

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花巻東が誇る“左キラー”堀川が代打で大仕事をやってのけた。4点を追う4回無死満塁。1ボールからの2球目、盛岡大付の先発左腕、石井稜久投手(2年)の直球に狙いを絞り、一振りで決めた。「ここで同点に追いつかないと後半に持っていけないという場面で、真っすぐが得意なので、結果として本塁打という形になり良かったです」。佐々木洋監督(47)が「とにかく左が得意」と太鼓判を押す切り札。「思い切って振りなさい」と送り出され、左翼に公式戦1号となる値千金の同点弾を放り込んだ。

今大会の舞台である岩手県営野球場は、来年3月限りでの閉鎖が決まり、公式戦で使用されるのは今秋が最後だ。そんな場所で本塁打を放った堀川は「しっかりチャンスで打てて、自分としても思い出に残ると思います」。花巻東入学のきっかけは同校OBのエンゼルス大谷翔平投手(28)だ。「偉大な先輩に憧れがありました」。その大谷が160キロを計測するなど活躍した岩手野球界の聖地で、自身も躍動した。

ライバル盛岡大付を大激戦の末に破り、6年連続で決勝に進出した。佐々木監督は「県営球場で最後の大会で、モリフさんとしのぎを削りながら対戦してきました。ここで対戦するのは今日が最後。しびれるゲームでした。何はともあれ、勝ててホッとしています」。東北大会出場を決め、残すは2連覇だけだ。今日26日の専大北上との“県営ラストマッチ”を制し、花巻東が11度目となる秋の岩手王者に輝く。【山田愛斗】