札幌円山、札幌麻生の2会場で開幕した。5年ぶり17度目出場の旭川龍谷は、釧路工に7-6で競り勝ち初戦を突破した。3番松木優弥一塁手(2年)が2安打1打点と、2ケタ10安打の打線をけん引。同点とした直後の4回1死満塁では決勝の右犠飛を放つなど、地区大会からの打率6割3分6厘とする活躍をみせた。2年ぶり秋制覇を狙う北海、北照と東海大札幌も次戦に駒を進めた。

打率6割超えの男は全道の舞台でも力を発揮した。3-3と同点に追いついた直後の4回1死満塁。松木は初球を振り抜いた。「真っすぐを狙って打ちにいった」。三塁走者をかえす決勝の右犠飛で貴重な1点をもたらした。この日2安打1打点と、2ケタ安打の打線を引っ張った。

地区から3試合計11打数7安打3打点で、打率6割3分6厘とした。1回1死一塁での第1打席で初球を中前打、3回先頭の第2打席では2ストライクと追い込まれながらも「引きつけてライト方向に打てたのはよかった」と右翼線に三塁打を放ち得点につなげた。「あまり考え過ぎずに打てている」。来た球を「全球打つ」という意識はあるが「わからないです」と本人も驚くほどの好調だ。

日頃の積み重ねが成果につながっている。週に1度自宅で行う自主練習では父孝満さん(43)にバドミントンの羽根とプラスチックのボールを投げてもらい、1時間ほど振り込む。真っすぐ飛んでくる羽根は直球、軽く変化しやすいボールは変化球に見立て、細い木製バットの芯で捉え、イメージトレーニングをしてきた。

主軸の活躍に高橋健監督(50)は「いいところで打ってくれた。次も試合ができるので頑張ってほしい」と期待する。チームは90年秋に全道制覇も、近年は勝ち進めずにいる。次は札幌龍谷学園との兄弟校対決。松木は「今大会でも6割、7割打ちたい」と燃えている。【山崎純一】

●相手を上回る12安打を放ちながら敗れた釧路工・石垣星尚主将(2年) 後ろの打者に回すことを意識していたので、つながったのかなと思う。