専大松戸の「神(かみ)さん」こと、上迫田(かみさこだ)優介外野手(2年)が試合を決めた。

3-3で迎えた延長10回。2死走者なしからの2連打で一、三塁とし、打席に入った。ベンチからは「神さん、ここで全部持っていけ!」と声が飛んだ。上迫田は「絶対に打たないといけない」と気合を入れ、真っすぐを中堅へ運ぶ勝ち越しの2点二塁打。この一打が決勝打となった。

当初のニックネームは名字から「上(かみ)さん」だったが、チャンスに強い打撃からいつしか、かみの字が上→神に変わって「神さん」とあがめられる? 存在に。持丸修一監督(74)の「ああいう打撃をしてくれる選手」という信頼にも、しっかり応えた。

日ごろの行いから運を引き寄せる。練習から常に試合を想定して打撃練習に取り組み、試合ではピンチのでも表情を変えず、平常心で結果を残してきた。吉田慶剛捕手(2年)は「上迫田はどんな場面でも冷静。そういうところが常人離れしていると思う」と表現した。勉強はクラスでもトップの成績で、テスト前になるとチームメートに勉強を教えることもあるという。試合直前まで1人で参考書を開き勉強。チームメートにはいつも優しく、練習後の片付けも、率先して行う。吉田は「そんな日ごろの行いも、運を引き寄せている。『神さん』なのかもしれませんね」と笑った。

今大会のチームの目標は優勝。秋の県大会前は「千葉県制覇と関東大会ベスト4」だった。しかし、ミーティングで上迫田が選手たちに「ベスト4じゃかっこ悪い。関東制覇にしようよ」と提案。より高いところに設定変更し、1つずつ勝利を重ねてきた。「明日もチームの勝利に貢献したい」。決勝の相手は山梨学院。専大松戸の「神さん」が、目標へ導く。【保坂淑子】