アピールプレーで試合が終了する珍しい場面があった。

9回の大分商の攻撃。1死一、二塁からの左飛で、二塁を回っていた一塁走者が帰塁する際、二塁ベースを踏まずに戻った。二塁審判がすぐさまアウトをコールしたが、本来はアピールプレーのため守備側の二塁触塁が必要になる。球審が場内アナウンスで謝罪。整列のために引き揚げていた両校を再びグラウンドに戻して、あらためて正規のアピールを行い、アピールアウト成立させた。

一連の流れについて、窪田大会審判副委員長が以下のように説明した。

「放送で説明した通り、一塁走者が帰塁する際に、二塁ベースを踏まずに直接帰った。目の前でその事象が起きたので、そのタイミングで二塁塁審がアウトのジェスチャーをした。ですがそれは守備側のアピールプレー。選手はアピール、アピールと言っていたそうですが、正しくボールを持って触塁していなかった。それでプレーを再開してアピールしてもらい、そのアピールを認めて試合終了とした。混乱させた部分については申し訳ございませんでした。正しいアピールがされていない状態でアウトと言ってしまい、申し訳ありませんでした」

映像では一塁走者は二塁走者を追い越していたように見えるが、本人にその意識はなく、審判団も認識できていなかった。追い越しがあれば即アウトが宣告されているところだが、目視できていなかったため、審判団は空過のアピールアウトの方を選択した。

「追い越しについては明確に認識には至らなかった。それより目の前で『三角ベース』(踏まずに帰塁)をしたので審判はその対応をした。協議の際に追い越しの話はなかった。アピールアウトに至る正しいプレーがされていなかった状態でアウトを出してしまった。正しいプレーとはボールを保持している者が、空過している塁に触塁すること。二塁ベースです」

【センバツ】アピールプレー前にアウトコールし審判謝罪 再開直後にアピール成立でゲームセット