北北海道大会の決勝で、クラークが旭川明成を1-0で下し、春夏連続の甲子園切符を手にした。エース右腕の新岡歩輝主将(3年)が9回130球、5安打10奪三振の完封。プレートの位置や腕の位置を変えながら変幻自在の投球で、相手打者に的を絞らせなかった。エスコンフィールドの準決勝、決勝で計302球の熱投だった。甲子園初勝利を目指し、夏7年ぶり2度目の聖地に乗り込む。
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しびれる場面にも新岡は落ち着いていた。1点リードの9回2死二、三塁。一打サヨナラ負けのピンチを招いても、マウンド上で表情ひとつ変えなかった。「自分は交わす投球が持ち味。常に頭の中は冷静に。最後三振で終われたのはよかった」。左打者の6番植木に変化球を振らせて空振り三振を奪うと、チームメートらが駆け寄り、歓喜の輪の中心になった。
主役はやはり新岡主将だった。3回まで1人の走者も許さないパーフェクト投球。22日の準決勝・白樺学園戦で延長10回172球を投じ連投だったが「肩がちょっと軽く張っていたくらいで準備はしっかりしてきたので、気持ち良く投げられた」。9回5安打10奪三振完封と涼しい顔で汗を拭った。
自由自在に腕の位置を変え、打者に的を絞らせないのが新岡の投球術の1つ。その原点は中学時代にさかのぼる。元々は捕手だったが、所属していた青森・弘前白神シニアの斎藤和裕監督(52)が投手としての適性を感じていた。投手練習をさせる中で横手や下手投げをすすめた。「器用な子というイメージだった。アンダースローにして130キロ、135キロくらい投げられれば絶対目につくよ」。
恩師の教えを土台にしながら、高校入学後も新岡はスリークォーターやサイドスローなど、1つのフォームに固定せずさまざまな角度から投げ打者を抑えてきた。「遊び心を持って、(腕の)角度によって全然ボールの軌道が違ってくるので、同じ真っすぐでも軌道が違ったりする。それは武器ですね」。今では最速144キロを誇る変則投手となった。
北北海道勢では08年駒大岩見沢以来の春夏連続甲子園を決めた。春は沖縄尚学に敗れており、狙うは甲子園初勝利。10大会連続初戦敗退中の北北海道勢の連敗ストップもかかる。昭和、平成、令和の3元号勝利がお預けとなっている佐々木啓司監督(67)は「時間があるので、鍛え直して頑張りたい」と話した。新岡主将は「まずはみんなで勝利を目標に戦っていきたい」。春のリベンジへ、満を持して聖地に乗り込む。【山崎純一】

