春夏通じて甲子園初出場の鳥栖工(佐賀)が、今大会最長となる延長12回タイブレークをサヨナラ勝ちで制して、初勝利を挙げた。4番松延晶音(あぎと)捕手(3年)と弟響投手(1年)の“仮面ライダー兄弟”が甲子園に見参。晶音はエース右腕、古沢蓮投手(3年)と弟響(ひびき)を好リード。響も自己最速を2キロ更新する144キロの速球を武器に、7回5安打1失点で初戦突破に貢献した。
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甲子園に、ライダー見参だ。春夏通じて甲子園初出場の鳥栖工が、今大会最長となる延長12回タイブレークをサヨナラで制して初勝利。4番の松延晶音(あぎと)と弟響の“仮面ライダー兄弟”が大活躍だ。
ホームめがけて、アギトが走った。延長12回無死一、二塁で、林が三塁線ぎりぎりに送りバント。処理した富山商・上田の送球を一塁手が捕球できず。二塁にいた松延晶は「いいバントで、送球がそれたら行こうと思った」と、1週間前の練習で捻挫した右足の痛みをこらえて激走。サヨナラのホームを踏み「1勝できて、うれしかった」と歓喜の輪に吸い込まれた。
そこまでアギトは、好守でチームを支えた。響が登板した6回1死一塁では空振り三振と二盗阻止で切り抜け、続く相手3番を空振り三振に。「三振ゲッツーは大きかった」と弟を援護。響も調子を上げ「イニングを重ねるごとに自分の投球ができて、周りに支えられて落ち着いて投げることができました」と応えた。
延長11回、捕逸で勝ち越しを許した。それでもその裏、高陽(たかひ)の犠飛で同点。12回のサヨナラまで公式戦最長7回を5安打1失点で投げ抜き、自己ベスト144キロも計測した弟を、兄は「1年でもたくましかった」とねぎらった。
晶音はアニメ「銀色の髪のアギト」が由来だが、後日「仮面ライダーアギト」を知った父慎一郎さん(39)によって、弟は「仮面ライダー響鬼(ヒビキ)」にちなんで命名された。家では一緒に風呂に入り、野球の反省会をする。幼い頃からライダーの変身ベルトで遊んできた松延兄弟が、甲子園で勝利のヒーローになった。【菊川光一】
○…鳥栖工の6番林が勝負を決めた。2-2で迎えた延長12回無死一、二塁で三塁線へ絶妙な送りバント。切れるかどうかギリギリの打球を処理した投手からの送球を一塁手が捕れず、その間に二塁走者がサヨナラ生還。「送りバントと決まっていたので必ず決めてやろうと思っていました」と声を弾ませた。「ピッチャーのテンポが良くて守りやすかったです」と明かし、2投手の好投に報いた。

