<全国高校野球選手権:専大松戸7-5東海大甲府>◇12日◇2回戦◇甲子園

高校野球のドラマは、勝った者にだけ生まれているわけではない。日刊スポーツでは今夏、随時連載「君がらんまん」で、勝者だけでなく敗者にもスポットを当てた物語をお届けする。

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アルプスにあいさつを終えると、グラウンドの感触を味わうようにゆっくり歩いた。本年度限りで退任する東海大甲府・村中秀人監督(64)の最後の夏が終わった。「高校時代からずっと甲子園の土を踏ませてもらって、何十年たっても土は変わらないんだなと思いました」。笑顔だった。

初めての聖地は49年前、74年夏。東海大相模(神奈川)で巨人原辰徳監督、元巨人津末英明氏とともに1年生3人が注目を集めた。3試合に登板し8強入りに貢献した。2年夏も8強。しかし、最も印象に残っているのは3年夏の2回戦小山(栃木)戦、0-0で迎えた7回にサインミスが暴投となり0-1で敗れた。その瞬間が、今でも鮮やかによみがえる。「(甲子園の)怖さをずっと選手たちにも言い聞かせています」。

巨人原監督からは「まだできるでしょう」とメールが届いた。指導者人生35年。「体もガタが来ました」とヒザをさする。来年4月以降は、東海大系列の高校を巡回して指導する予定。「最近、甲子園に出られていない高校もある。東海系列の高校は、強くあってもらいたいので」。まだまだ、現場に立ち続ける。【保坂恭子】

 

▽巨人原監督(東海大相模時代の同級生)「非常に最後も粘り強く戦って、高校野球指導者として素晴らしい野球人生だったと思いますね。同期としてユニホームをずっと着ていたという点においては、刺激し合うところもあった」