智弁学園(奈良)は大会屈指の好投手、徳島商・森煌誠(3年)を豪快に粉砕。松本大輝外野手(3年)がバックスクリーン弾を含む4安打とけん引し、18安打で12得点を重ねた。
「前川2世」こと、智弁学園の松本がバックスクリーンへ高校通算32号ソロを放り込んだ。5点リードで迎えた9回の打席。バットをギリギリまで長く持ち、外角高めに浮いた直球を鋭く振り抜いた。「入ったかどうかわからなかったけど、入れという気持ちで走りました。最高の舞台で自分の打撃ができたのでうれしい。格別です」。奈良大会4本塁打の強打者も、聖地での1発は特別だ。憧れの先輩、阪神前川右京も、準Vだった21年夏の2戦目で甲子園初アーチを飾っている。松本は「少し近づいたかな」といたずらっぽく笑った。
最速149キロ右腕、徳島商の森煌に対し、奈良大会12本塁打の強力打線も最大級に警戒していた。小坂将商監督(46)は全選手にバットを短く持つように指示。だが、松本だけは“免除”された。小坂監督がパワーと技術を高く評価しているからこそだ。松本は「強い打球を打ちたい」と長く持ったバットで本塁打を含む4安打。リードオフマンが期待に応え、チームを18安打12得点の完全攻略に導いた。
7日の英明(香川)戦では無安打に終わった。この日はボール球を見極め、直球に振り負けないよう、タイミングを早めに取って対応した。初回先頭で内野安打を放ち「自分の中で流れが変わった。落ち着いて、余裕を持って打席に入りました」と平常心を取り戻し、本領発揮となった。
3回戦では佐々木麟擁する花巻東と対戦する。「勝ち上がるにつれて、相手も強くなる。小さなミスをなくして、全員で一戦必勝」と、目の前の勝利を貪欲につかみにいく。【村松万里子】

