智弁学園(奈良)が岐阜城北との延長11回タイブレークまで及んだ死闘を制し、初戦を突破した。「朝夕2部制」が導入され、決着は開会式終了後から約12時間後だった。第1試合の滋賀学園は有田工(佐賀)との開幕戦を制し、甲子園初勝利を飾った。
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甲子園のLED照明に照らされた智弁学園ナインは充実感に満ちあふれていた。午前8時半の開会式に始まり、ナイターゲームでは延長11回までもつれたタイブレークを制した。時刻は午後9時36分をさしていた。夏の甲子園の幕開けから13時間後の壮絶決着だった。
9回に2点差を追いつき、タイブレークへ。先攻で3点を取りながら3点を返されて11回に入った。再び3点を取ると最後は田中が0に抑えた。激闘を制して小坂将商監督(47)は「諦めずにやった結果だと思う。長い1日でしたね」とホッとした表情を浮かべた。
開会式で甲子園の朝の太陽を浴びたナインが、LED照明の下で校歌を歌った。午前8時半からの開会式に参加すると、1度宿舎に戻った。史上初めての「朝夕2部制」実施により午後6時半開始予定の試合に向けて1時間ほどの昼寝をとった。
「集中力の持続」のために実施。5安打した1番佐坂は「準備する時間が増えたので、こっちの方がやりやすい」と歓迎した。一方で知花主将は1安打と犠飛を放ったが「やっぱり難しい。開会式の余韻があるし、ホテルに帰ると気持ちを入れようとしても入れにくい」と難しさも感じていた。ただ総合的に見ると終盤につながりを見せており、指揮官は「1回リセットできたのが良かった」と効果を感じ取った。
知花はナイターならではの難しさも実感。「フライが暗くて見えにくい。変化球のボールが見えず、低めワンバウンドに空振りしてしまった」と未知の体験に戸惑いも見せた。
死力を尽くしての劇勝に小坂監督は「エラーも多い中でものにできたのは勝ち運があったということですね」と勝ちを拾った。春夏連覇を狙う健大高崎との次戦に向けては「胸を借りるつもりで全力でいきたい」。21年の準優勝校が学び多き長い1日を勝利で終えて帰路に就いた。【林亮佑】
◆タイブレーク 智弁学園-岐阜城北戦は甲子園通算21度目のタイブレーク。先攻の勝利は7度目。タイブレーク後に両チームが3得点以上を挙げたのは初めて。智弁学園は昨夏の1回戦で英明に7-6(延長10回)で勝っており、タイブレークで2戦2勝。
◆遅いプレーボール 第3試合は午後6時52分開始。試合開始時間が確認できる53年以降、夏の大会で開始が遅い試合では歴代2番目となった。過去最も遅い開始は21年小松大谷-高川学園戦の午後7時10分。この試合は終了9時40分も最遅記録だった。6時以降のプレーボールは7度目。

