9年ぶりの優勝を目指した東海大相模(神奈川)が、関東第一(東東京)の好守に阻まれ、関東対決に敗れた。

この夏、監督として初めての甲子園を終えた元巨人の原俊介監督(46)は試合後、開口一番「いやもう素晴らしい夏を…もらったなと…思いましたね…」と、声をつまらせた。あふれる涙をぐっと堪え、時折声を震わせながら続ける。「私自身も夢の中の世界でやった感じだったので…キラキラ輝いてました…」と話すと、涙がこぼれた。

選手として95年のセンバツ出場した甲子園。プロ野球選手としてプレーした甲子園。今夏、監督として甲子園の土を踏んだ甲子園。「全然違いましたね。選手の入退場の入り口から甲子園を見てたら、輝いたのね。1日から甲子園に入って今まで。本当にいい時間でしたね」。たった今、終わったばかりの夢の時間を、ゆっくりと言葉にした。

関東第一の先発畠中鉄心投手(3年)の外角のボールをなかなか捉えられなかった。いい当たりも、相手守備の正面を突いた。9回裏には、2死一、二塁の好機も作り、粘り強さは見せた。「勝負の世界は紙一重。そこで1つ上にいけなかったのは、残された2年生の課題だと思うし。私自身の課題だと思うし」。悔しさも糧にし、前を向く。

頂点を目指した夏。原監督はあらためて「頂点って簡単なようで簡単じゃねえなって思いますね。近いようで遠かった」と、つぶやいた。

神奈川大会優勝のインタビューでも涙を流し、「泣き虫監督」と愛情込めて呼ばれた。「泣き虫なんかじゃないよ」と苦笑いで否定したが、木村海達捕手(3年)は「情熱的に選手全員に関わってくれた監督でした」と、その情熱は選手たちの心には伝わった。

愛情たっぷりの泣き虫監督。「甲子園は現実と思えないくらいの時間でした」。選手とともに戦った24年夏。この経験を糧に、再び頂点への挑戦が始まる。【保坂淑子】

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