青森山田が準決勝で京都国際に2-3と惜敗した。春夏通じて初の全国4強と新たな歴史を刻んだが、目標の日本一には届かなかった。21年8月6日、リトルシニア日本選手権で青森山田シニアが東北勢初優勝。当時、中学3年生だった橋場公祐主将と桜田朔投手(ともに3年)は日本一のバッテリーとなった。その日からちょうど1111日。2人の「高校でも日本一」を目指した夏が終わった。
夏の甲子園で2人が組んだのは1イニングのみだった。最後まで涙を見せなかった橋場が、桜田のことになると声を詰まらせる。「どんな形であっても彼に、最後、試合に出て欲しかった。かなわなくて悔しいです」。今大会の桜田の登板は、石橋(栃木)戦での9回1イニング。橋場は「投げさせることができなかったのは自分たちバッター陣が奮起できなかったから」。中学1年から6年間をともに過ごした相棒に、申し訳ない気持ちが込み上げた。
ともに特別な存在だ。橋場が「ずっと一緒に見てきた。他の人とは違う思いもある」と語れば、桜田は「3年間じゃ作れない友情。6年間一緒にいるからこそ言える言葉もある」。苦しい時期もいい時も、ずっとそばにいた。橋場の思いを聞いた桜田は、目に涙をためながら「6年間ずっとバッテリーで…。僕のこと守ってくれていた。それに応えられなかった自分が情けないですし、最後までそう言ってくれて本当に感謝しかないです」。ふがいなさと感謝と、さまざまな思いを胸に、ゆっくり言葉を並べた。
橋場は消防士を志し、桜田はプロ野球選手の夢を追いかけて大学に進学する予定だ。桜田は「プロ野球選手になって、(橋場に)まだやってるよというところを見せたいです」。17球で終わった夏。もっと投げている姿を、支えてくれた相棒に届けていく。【浜本神威】

