<センバツ高校野球:日本文理8-1高知農>◇21日◇1回戦◇甲子園

日刊スポーツはセンバツ期間中、負けチームにもスポットを当て、「胸張ってイイじゃん」と題して球児たちの奮闘に迫ります。

   ◇   ◇   ◇

21世紀枠の高知農・山下蒼生投手(3年)が父子2代での甲子園出場を達成した。スコアボードの左から3番目に、親子ともども「山下」と表示された。

「小さい頃からニコニコと物おじせず、ひょうひょうと野球する子でした」。甲子園球児の父真二さん(60=高知商OB)は83年夏に「3番中堅」で桑田、清原を擁するPL学園と9-10のシーソーゲームを演じた。30歳まで社会人の三菱重工三原でプレー。この日はスタンドから息子の133球の熱投に視線を注いだ。「(出場を機に)これからも野球を続ける中で、いいものをつかめたら。僕自身もそうでしたから」。

2回に先制を許し、4回は味方が1点返すも3点を追う5回には長打を浴び、一挙3失点。6回までに7点差にされたが、7回からはゴロを中心に打たせて踏ん張った。

本気で夢を抱く10代の日常がある。中3秋に同校のゲームを観戦し、采配時に気持ちのいい声かけを率先する下坂充洋監督(33)にひかれて入学。1年時には身体能力の高さを買われ、内野手から投手に転向した。学業では牛や豚など動物の世話にいそしみ、部活では部員18人でも力負けしない頑丈な体作りを継続。強いまっすぐに、スライダーを携えた。

昨秋は明徳義塾に10奪三振も延長10回タイブレークの末サヨナラ負け。だが、本気でプロへの道を志すようになった。「ここで、終わりじゃない。甲子園でプレーできたことは財産になりました。また、甲子園に来たいです」。最後の夏のみならず、「プロ山下」を見据えた研さんの日々が、始まる。【中島麗】

◆21世紀枠が姿消す 長崎西に続き高知農が初戦敗退。21世紀枠同士の対戦を除くと、同枠は15年の3番目に登場した豊橋工から数えて初戦で25連敗。