<練習試合:東海大甲府5-4横浜>◇2日◇横浜グラウンド

 高校生NO・1内野手、東海大甲府・高橋周平(3年)の通算70号本塁打は、華麗なサヨナラ弾だった。2日、横浜市内で横浜との練習試合(ダブルヘッダー)に出場し、第1試合、4-4の9回裏。高橋は甘い初球を逃さなかった。真ん中低めの直球が、軽い一振りで95メートル先の右翼フェンスを越えた。感心した観客から、ため息が漏れた。

 「区切りの70本。上出来です」と満足げに笑う。1回にも、右越えソロで先制点を挙げていた。2試合で7打数5安打3四球。10度打席に立って9度出塁、6度生還する大車輪の活躍で、強豪横浜に連勝した。日米6球団のスカウトもうなった。ドラフトの1位指名候補に挙げるヤクルト斉藤スカウトは「打球がライナー性で率も期待できる。3割30本打てる打者だと思う」と賛辞を贈った。

 1年生で4番を張った2年前、憧れた選手がいた。当時高3の筒香嘉智(現横浜)。この日と同じ横浜高グラウンドで対戦したスラッガーは、高校通算69本の記録を残してプロの世界へ上がった。「打球が全部フェンス前まで飛んで、すさまじかった」。そんな先輩を追い越した。それでも「筒香さんは甲子園でも打った。周りが認める打者は、全国でも結果を出しています」と謙虚に話した。この勢いで夏の山梨大会を勝ち上がり、今度は高橋が後輩たちの目標となる番だ。【鎌田良美】