<高校野球佐賀大会:佐賀北6-1鳥栖商>◇24日◇準決勝◇佐賀県営

 佐賀北の「がばいエース」末次慶一郎投手(3年)が4試合連続完投で、甲子園で優勝した07年以来5年ぶりの決勝進出を決めた。7四球と制球に苦しみ、9回は2死満塁から押し出し四球で1失点。この夏初めての自責点を記録した。「最後はバテました。9回は球が思ったところにいかなかった。悔しいです」と悔やんだが、最高気温34度の中で133球の熱投。チームを勝利に導いた。

 5年前の「がばい旋風」のときは、左右の2枚看板の継投で甲子園決勝まで勝ち上がった。だが今年は「絶対的エース」の末次が1人でマウンドを守っている。「末次が代わるときは負けるとき」と百崎敏克監督(56)のエースへの信頼は厚い。

 夏場の完投を見据えて、春からダッシュなど走り込みで体力をつけた。「夏は1人で投げきります。体力では誰にも負けません」。172センチ、60キロの「鉄腕」が、その右腕で5年ぶりの甲子園をつかみ取る。