南稜(埼玉)の女子部員・山口祐舞(ゆま=3年)が9日、プロ野球志望届を提出した。日本高野連に部員登録があった場合、プロ入りを希望する際はプロ志望届を提出する必要があるためで、今後は日本女子プロ野球リーグ(JWBL)入りを目指す。

 すでに5日に花咲徳栄女子硬式野球部の室内練習場で行われた同リーグのトライアウトを受験。本来は内野手だが、捕手として挑戦した。「プロ野球選手以外に進路は考えられません。内野手では厳しい。何とかして受かりたいから捕手で受けました」と、強い思いを口にした。

 チーム唯一の女子部員の山口は、高野連の規定で女子部員は公式戦に出場できないため、今夏の埼玉大会はスタンドから応援団長としてナインをサポート。チームは3回戦で大宮西に敗れ、甲子園の夢はかなわなかった。

 県内には花咲徳栄と埼玉栄に女子硬式野球部があり、大会も存在する。「男子とやってたほうがもっとうまくなる」と、あえて南稜に進学した。公式戦出場こそ出来なかったが、甲子園出場を目指して練習に取り組んだ。トライアウトの合否は今月中旬以降になる見込み。遠山巧(こう)監督(35)は「ただがんばってほしい」と、後押しする構えだ。【栗田尚樹】

 ◆プロ野球志望届

 プロ入りを希望する高校生は日本高野連に、大学生は全日本大学野球連盟に、ともに提出することが義務づけられており、未提出者はドラフト指名を受けることができない。NPBに限らす、大リーグや独立リーグでも同様。女子でも高校で部員登録を行い、日本高野連に所属した時点で、女子プロ野球でもプロに進む希望があれば提出が必要になる。これまで未提出で女子プロ野球選手になった選手は、高校の野球部に部員登録をしていない選手になる。