<高校野球福岡大会:三潴7-0八女農>◇9日◇2回戦◇小郡球場

 三潴(みづま)のエース西尾公一(3年)が負傷を乗り越え、チームを勝利に導いた。

 三潴がエース左腕の復活投で初戦を突破した。右脇腹の疲労骨折から復活した西尾が、八女農撃破に貢献。「変化球を低めに集め、要所は直球で締めた」。巨人杉内を理想につくりあげた制球重視のフォームからキレのある120キロ前後の直球とスライダーを投じ、6回3安打無失点。7回コールド勝ちにつなげた。

 2月から痛みを我慢していたが、耐えきれずに診てもらった病院で3月に骨折が判明。「どん底だった。危うかった」と最後の夏に間にあわない可能性もあった。必死のリハビリで、5月下旬から本格的な投球ができるまでに回復。牛島優監督(43)が「気持ちが強くプレッシャーに強い」と言う執念ではい上がった。

 骨折中、母博美さんから「頑張っていることは分かっているから」と書かれた手紙を初めてもらい、励みに。この日、スタンドから応援した母へ最高の恩返しとなった。【菊川光一】