<高校野球福岡大会:九州国際大付11-1福岡工大城東>◇19日◇5回戦◇筑豊緑地

 優勝候補の九州国際大付が福岡工大城東とのシード対決を6回コールドで制し、8強入りを決めた。プロ注目の3番・古沢勝吾遊撃手(3年)のサイクル安打など自慢の打線が12安打を放ち快勝。準々決勝で、ドラフト上位候補右腕エース小野郁(ふみや=3年)擁する西日本短大付と激突する。

 打った本人も目を丸くしていた。プロ注目の古沢が「公式戦で初めてなんです」というサイクル安打。快挙は6回に達成された。若生正広監督(63)から第4打席前、「大振りするな」の指示を受けた。古沢も「力まずミートだけ」と心がけた。1死一、二塁。カウント1-2からの4球目。高めの直球を中前にはじきかえし、成し遂げてみせた。

 この日も、プロ複数球団のスカウトが集結。その中で、初回から全開だった。1回1死二塁で「チャンスでかえすだけ」と集中。カーブをとらえた先制中越え三塁打が、安打ショーの始まりだった。3回2死一塁では左前打だったが、「レフトが下がっていて、球の落ちどころで行けると思った」。50メートル6秒0の快足を飛ばし、二塁打にした。圧巻は4回だ。福岡工大城東の投手交代で迎えた2死一、二塁からの初球。「甘い球が来ると思い、(2番手古村の)立ち上がりからいったろと思った」と高めのスライダーを強振し、推定130メートルの3点本塁打を左翼にたたき込んだ。

 発奮材料はそれだけではない。元ロッテ監督の山本功児氏の長男の武白志(むさし=2年)が3回に左越え3点本塁打を放っており、古沢は「後輩が打って刺激された」という。2死二、三塁で「チャンス、回ってこいと思っていた」と気合十分だった6番山本の活躍にも触発された。「1~9番まで全員打てるところが魅力」(古沢)。相乗効果が強力打線を形成している。

 準々決勝では最速150キロ右腕、小野擁する西日本短大付と対戦する。だが、ナインに恐れはない。昨秋の福岡県大会決勝で小野から本塁打を放ち5-0の勝利に貢献した古沢は「(小野は)150キロ出すようになり成長しているだろうし楽しみ」。九州NO・1右腕との対戦を心待ちにした。【菊川光一】

 ◆古沢勝吾(ふるさわ・しょうご)1996年(平8)9月5日、

 

 滋賀県生まれ。野球は小2から木之本球友クラブで始める。木之本中では湖北ボーイズに所属し、3年で全国大会出場。九州国際大付では1年秋から遊撃のレギュラー、2年から3番を務める。50メートル走6秒0。178センチ、80キロ。右投げ右打ち。