<高校野球青森大会:八戸学院光星8-6青森>◇24日◇決勝◇青森市営野球場

 八戸学院光星が青森を破り、2年ぶり7度目の優勝を決めた。2回、青森に3点を先制されるなど苦しい試合。4-4で迎えた7回裏、2安打と敵失で一挙4得点。粘投の2年生エース中川優が青森の反撃を抑えた。4度目の春夏連続甲子園出場が決定。11年夏から3季連続準優勝の光星が、今度こそ全国制覇を目指す。

 最後の打者を三振に切って取った中川が、マウンド上で両手を上げ、仁王立ちした。ナインが駆け寄り、人さし指を突き上げながら、ひとかたまりになった。全校応援の右翼席が大きく揺れた。光星が2年ぶりに夏のVを奪還。勢いに乗る青森に苦しんだが、王者が底力をみせた。

 青森の先発、久保沢遼矢(3年)を打ちあぐね、序盤は飛球のアウトが続いた。だが3回裏、1番北條裕之(3年)の左前適時打、続く足立悠哉(2年)の右翼席2ランで同点とした。北條は「指1本短くバットを握り、コンパクトに低い打球を心掛けた」、足立は「センター返しを心掛けた結果」と振り返った。

 中川は14安打6失点(自責4)と打ち込まれたが、最後まで投げきった。仲井宗基監督(44)は「準決勝、決勝は中川1本で行く」と明言。準決勝の弘前学院聖愛戦も9安打4失点と打ち込まれたが、甲子園へ向けて、あえて試練のマウンドに立たせ続けた。仲井監督は「終わってみれば、よく投げた」とねぎらった。

 「ここで負けてはいられない」と仲井監督は試合前から言っていた。11年夏から3季連続甲子園準優勝。輝かしい実績だが、決勝で3季連続敗戦でもある。昨年は春夏、甲子園から遠ざかった。昨夏優勝の聖愛という新たなライバルも出現したが、「相手がどうのではない。『敵は我にあり』だ」と言い続けた。

 昨秋東北大会優勝、神宮大会出場。今春センバツでは東北勢で初めて、名門中の名門横浜(神奈川)を9-5で破った。だが2回戦で優勝校の龍谷大平安(京都)に2-8で敗戦。全国制覇の目標達成はならなかった。強力打線は全国トップレベル。中川ら2年生投手陣も成長し、再び全国Vにチャレンジのこの夏だ。

 閉会式後は132人の全部員で優勝を喜び合った。千葉諒主将(3年=捕手)は「選手、ベンチ、全部員と応援で勝った」と声を弾ませた。仲井監督は「青森はレベルが上がった。その代表として力をみせてきたい。全国で一番練習をやったチームとして、胸を張って臨む」とVへの決意を表した。【北村宏平】

 ◆八戸学院光星

 1956年(昭31)創立の私立校。光星学院から昨年4月、校名を改称。普通科など4科があり、生徒数は1151人(女子576人)。野球部は56年創部。甲子園で11年夏から3季連続準優勝。部員数132人。主なOBは巨人坂本、阪神北條、ロッテ田村。所在地は青森県八戸市湊高台6の14の5。橋場保人校長。◆Vへの足跡◆2回戦5-0黒石商3回戦11-1大間4回戦9-0青森北準々決勝14-1弘前工準決勝5-4弘前学院聖愛決勝8-6青森