<センバツ高校野球:北照2-0秋田商>◇28日◇1回戦

 北照が、よどみない“リレー”で記念球を手に入れた。マウンドはエース又野の完封ショーだったが、北海道勢の春夏甲子園通算100勝のメモリアルボールは、選手や球審の“継投”で、河上監督の右ポケットに収まった。「北海道の1つの記念なので達成できてよかった」と感慨深げだった。

 秋田商の最後の打者は遊ゴロで、大野から一塁手の新谷に転送されてゲームセット。整列の際、新谷はいったん、球審・池に手渡し、すぐに西田主将に渡された。最後は、西田の「監督さん、おめでとうございます」の言葉とともに、河上監督が受け取った。記念のウイニングボールを紛失することなく、無事、確保した。

 1922年(大正11)の北海中の勝利から、88年の歳月を経てたどり着いた区切りの白星。昨夏の札幌一が初戦突破して王手をかけてから2戦目で決めた。新谷は「勝てば100勝だとずっと言っていたし、僕たちがしようと話していました」と胸を張った。

 道高野連では今後、記念ボールの展示などを検討する。節目の勝利を見届けた坂本浩哉理事長は「これから前向きに、具体的に考えたい」と話した。北照にとっても10年ぶりの甲子園勝利ボールで、河上監督は「とりあえず持って帰ります。要請があれば協力したい」と、うれしそうに話していた。【村上秀明】