<高校野球茨城大会:常総学院6-5土浦湖北>◇23日◇準決勝

 常総学院がサヨナラ勝ちで3年連続の甲子園出場に王手をかけた。土浦湖北の粘りに遭い、5-5で9回裏へ。迎えた無死満塁で中村勇太右翼手(3年)が左前打で決勝進出を決めた。ヒーローになった中村は「みんなのおかげ」とチームメートに感謝した。

 木内幸男監督(77)は「(中村が)やっとチームバッティングに目覚めてくれた」と話した。中村はこれまで中軸を担いながら極度の不振で打点0、20日の中央戦では2打席凡退して、交代を命じられた。本人も「これでもう出番はない」と覚悟したが、この日は初の2番を任された。その期待に応える復活だった。中村は「意外だったが、気楽に打席に入れた」とつなぐことに徹した。4回裏2死満塁では、1度は逆転打となる2点右前打も放った。

 木内監督はこの日も3連続代打を起用するなど、お得意の大胆采配を披露、苦しみながら決勝戦進出を決めた。「これで選手に(采配を)信じてもらえる」と豪快に笑った。

 自身には5年ぶりとなる決勝にも自信たっぷりで、先発予告までしてみせた。「島田(隼斗)以外に投手はいないから」。頭の中はもう甲子園に向かっているのかもしれない。