<高校野球沖縄大会>◇17日◇準決勝

 沖縄では準決勝が行われ、センバツ優勝の興南は八重山に8-0で圧勝。18日に春夏連続出場をかけ決勝に臨む。

 二塁打が出ればサイクル安打という大活躍だった。興南の左腕エース島袋洋奨投手(3年)がバットで2年連続の決勝戦へ導いた。2回に三塁打を放ち先制点を挙げると、4回の2打席目は中前打。そして5回2死一、二塁では右中間スタンドに飛び込む3ランを放った。人生初となる柵越えアーチ。冷静な島袋が珍しく興奮気味で「審判の手が回った瞬間、ヨッシャーって思いました」。カウント0-2からの高めの直球だった。「次は直球でストライクを取りに来る」と読んだ1発だった。

 準々決勝までは1安打1打点。「そろそろ安打が欲しかった」。マシン打撃など意欲的に打撃練習をこなした成果が出た。大事な試合では島袋のバットが勝利を呼び込んでいる。今春のセンバツ決勝の日大三戦では2本の二塁打を放って4打点を挙げた。我喜屋優監督(60)は「(島袋は)センター方向へ長打を打てる選手。打撃好調のときは投球もいいですね」と頼もしいエースに目を細めた。

 マウンドでは5回を2安打無失点8奪三振と今大会一番の投球を見せた。「制球も甘かったし、まだベストとは言えません」と投球への採点は辛口だが、心身とも状態はベストに近い。決勝に向けては「糸満は気の抜けないチーム。しっかり勝てる投球をしたい」と話した。地元沖縄でのラストゲームはもちろん先発予定。今度は「本業」で目立って甲子園切符を手にするつもりだ。【前田泰子】