<高校野球宮城大会>◇18日◇3回戦

 仙台育英が古川工を8-0で下した。

 盤石の強さをみせる仙台育英に、見えない敵が襲いかかった。4回の投球練習で、右のエース田中一也の右足がけいれん。悲痛な表情を浮かべながら、左のエース木村謙吾(いずれも3年)へマウンドを託した。ベンチに引き揚げた田中の症状は悪化。首から下全体がまひし、5人掛かりで約2時間、マッサージを施した。だが回復には至らず、試合後に到着した救急車で病院へ運ばれた。

 この日の名取スポーツパーク愛島球場は30度を超し、暑さに苦しんだ。佐々木順一朗監督(50)は「田中は熱(性)けいれんでしょう。2時間ぐらい点滴を打てば大丈夫だと思う」と話すが「筋肉痛になるので、どの程度回復するかが心配」と今後の起用法を案じた。また、ヤクルト由規の弟・佐藤貴規中堅手(3年)も6回に二塁打を放った場面で右足がけいれん。途中交代したが大事には至らなかった。試合は自慢の打線が10安打8得点と火を噴き快勝。猛暑とも戦いながら、頂点を目指す。【湯浅知彦】