<高校野球茨城大会>◇26日◇準決勝

 春高バレーの出場経験を持つ高橋祐二監督(50)率いる霞ケ浦が古豪水戸商に10-0の6回コールド勝ち。2競技での全国大会出場をかけ、27日水城との決勝に臨む。

 元バレーボール監督が率いる霞ケ浦が、2年ぶりの決勝進出を決めた。4回戦で常総学院を抑えた水戸商に12安打を浴びせた。8-0で迎えた6回1死二塁。4番・小田部圭外野手(3年)の打球が左翼席最前列へ飛び込み、コールドが成立した。高橋監督は「あまりに打ちすぎてビックリ。選手は狙い球をしっかり打っていた」と振り返った。

 高橋監督は同校野球部OBで、現役時代はエースだった。大学卒業後の82年、体育教師として母校に戻ると、任されたのが部員7人の男子バレーボール部だった。ゼロからスタートして19年後の01年、念願の「春高バレー」に初出場した。するとその年の4月、学校側からは低迷していた野球部監督として指名された。

 90年にセンバツに出場した同校だが、部員は11人。また一からの船出だった。ここでバレーボールの経験が生きた。「こんなこともできないのかとは思わなかった」と振り返る。選手のレベルに合わせて、根気よく指導した。徹底した守備練習で、チーム作りを進めた。準決勝までの6試合で失策は1つ。投手経験を生かして指導してきた右腕の倉田泰明(3年)は、最速142キロをマークし、プロも注目する。

 高校スポーツの団体競技2種目で全国大会出場となれば、異例中の異例だ。高橋監督は「バレーでは決勝戦で21回負けてる。春高バレーの県大会でも9回負けた。『決勝の男』と呼ばれてたんです」と言ったが、夏の甲子園があと1勝のところにある。「(甲子園には)行ってみないと分からない。頑張ります」。野球では、決勝で負けるつもりはない。【今井恵太】