ロッテの主砲アルフレド・デスパイネ外野手(29)が、涌井の熱投に報いた。先頭で迎えた同点の7回、日本ハム有原の初球失投を逃さなかった。「球が速い投手だから。自信のあるストレートでくると思った」と高く外れたボール球を強振。大きく舞い上がった打球はバックスクリーン左に吸い込まれた。

 初戦は4番で先発出場も、2三振と得点機での併殺打含む4打数無安打で、第2戦はベンチスタート。それでも「いつでも準備する。やることは変わらないから」。前日は9回に代打で中前打を放ち、この日スタメン復帰。伊東監督の「1球目から打っていってくれ」指令に、1発で応えた。

 「勝負の世界だから、どちらかが勝ったらどちらかが負けなきゃいけない。ホームランが勝利につながって良かったよ」。敵地札幌でヒーローとなった頼れる助っ人に、ドームの歓声が降り注いだ。【鎌田良美】