亜大魂にさや姉もビックリ! 阪神ドラフト2位・高橋遥人投手(22=亜大)が10日、鳴尾浜球場で新人合同自主トレ恒例の3000メートル走に挑み、参加6選手の中でぶっちぎりの優勝を決めた。テレビ収録で鳴尾浜を訪れていたNMB48山本彩(24)も「すごい! スピード感にビックリしました」と笑顔。亜大時代の走り込みで鍛え抜いたスタミナを猛アピールした。

 今を時めくアイドルには目もくれず、高橋遥はグングン差を広げた。

 鳴尾浜球場グラウンド内を8周する、新人合同自主トレ恒例の3000メートル走。2周目で首位に立つと、後半は中学3年時に100メートル走で現日本記録保持者・桐生祥秀に先着した実績を持つドラフト4位島田までも置いてけぼりに。顔色を変えることなく、最後まで軽快な走りで独走ゴール。この時はまだサプライズ訪問を知らずにいた。

 高橋遥 走っている最中には気づかなかったです。(後で)みんなが言っていたんで…。有名人がいる、と思っていました。

 実はこの日、偶然にもNMB48山本彩がテレビ収録で鳴尾浜球場を初訪問していた。さや姉は三塁ベンチ付近から3000メートル走も見守り、ドラフト2位左腕の激走に「すごい! スピード感にビックリしました」とニッコリ。思わぬ形で名前をアピールする形となり、思わず照れ笑いした。

 高橋遥 大学の時にすごい走ったので、亜大出身としては良かった。亜細亜でやっている人たちが「遥人さん、1位取ったんだ」と思ってくれると思う。亜細亜大学として良かったです。

 ソフトバンク東浜に広島九里、薮田、DeNA山崎康。ここ数年だけでも次々と好投手をプロに輩出している亜大は、猛練習でも知られる。夏場に行う約2週間の北海道・釧路キャンプでは朝、宿舎から球場までの6~7キロをランニング。練習が終わった夕方も同じ道のりを走って帰る。「スタミナというよりは、メンタルを鍛えられました」。頭の後ろで両手を組み、前方に飛んで400メートルトラックを1周する通称「ピョンピョン」もOBの中では有名。過酷なメニューを乗り越えて、今がある。

 今回の高橋遥のタイムは11分48秒。全体的にスローペースで、過去5年のトップ通過者では4番目の記録にとどまったが、余力はあった。「大学の中ではすごい速い方ではなかったんですが…」。

 昨年2年連続年度代表馬に輝いたキタサンブラックばりの先行逃げ切りスタイルで「亜大魂」を披露。人気アイドルまで驚かせ、縦じま生活は上々の滑り出しだ。【佐井陽介】