今季限りで引退する西武松井稼頭央外野手(42)が、慣れ親しんだ本拠地の遊撃の位置に座り込んで手をつき、感謝と別れを告げた。

日本シリーズ進出を逃した試合後、選手たちの手で背番号と同じ7度、宙を舞った。選手とともにグラウンドを1周すると、最後は1人で左翼スタンドのファンのもとへと走り、頭を下げた。

その左翼からの帰り。遊撃の位置に立つと、大歓声の中、そっと右手をついた。

走攻守3拍子そろった希代の名遊撃手は、ファンと家族に見守られながら、現役最後の試合を終えた。「まさか、胴上げされるとは思っていませんでした。選手の皆さんには、本当に感謝しています」。

ファンへの思いも口にした。「15年ぶりに戻ってきて、FAで出たのに受け入れていただいた。声援が力になり、頑張っていけました。ここ3年ぐらいは何回も心が折れそうになってきたけど、声援が励みになりました。感謝しています」と話した。