青森山田リトルシニアが初優勝を飾り、中学硬式野球のNO・1チームに輝いた。リトルシニア勢がすべて初戦を突破し、4強を独占。ダブルヘッダーとなった18日は、準決勝の第1試合で秋季東北王者の宮城臨空に7-5で雪辱。決勝は東北福祉仙台北(宮城)を13-5で下した。先発した馬場大河投手(2年)が4回まで無安打、3番打者でも3ランを含む5打点の大活躍。オール青森山田中の部員で構成したチーム力を発揮した。

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3試合で26得点。決勝でも「打線の山田」を本領発揮した。青森山田は序盤で大量リードを奪い、終盤も追いすがる東北福祉仙台北を突き放した。1回は2死走者なしから連続押し出し四球などで3点を先取。2回も2犠打と1犠飛を絡め、3点を追加した。いずれの回も1安打ながら、選球眼と機動力が光った。

決勝の「MVP」は先発マウンドに立った馬場だった。背番号5の内野手兼任だが、最速127キロの直球主体に4回まで「持ち味のコントロールを生かして抑えられた」と1四球のみ。5回に「スタミナ切れで」と2失点も直後の6回、両翼100・1メートルと広い楽天本拠地の左翼席まで「打った感覚はなかったけど、行ったな」とダメ押し3ランを運んだ。柵越えアーチは通算4本目で、1人で5打点。投打の柱としてチームを引っ張った。

1、2年生だけで部員36人の大所帯で、青森山田中の部活動として技量を磨く。旧チームからのレギュラー6人が残り、秋の東北大会4強で楽天カップ初出場を決めた。中條純監督(27)は「経験があり、やってくれる」と自信を持ってスタートしたが、新チーム発足後は敗戦が続いた。同東北大会の準決勝では宮城臨空の軟投派を打ちあぐね、0-3の完封負け。この日の準決勝で再戦となり、同じ阿部惺哉投手(高砂中2年)から5点を奪って雪辱した。同監督は「1つ勝って楽天生命パークに来ること。そして臨空さんにリベンジしたいという思いで、1カ月やってきました」と目標を果たした。

中條監督は西武秋山翔吾外野手(30)と入れ替わりで横浜創学館(神奈川)に進み、青森大を経て就任3年目。体育教諭として多くの野球部員もいるクラス担当を持つ。三沢市出身の馬場、八戸市出身の田沢光主将(2年)ら部員の約半数が寮生活を送り、公私でチームワークを深める。現チームは青森支部大会、同北東北大会、そして楽天カップと4公式戦中3大会で優勝。来春には4年ぶり9回目の全国選抜(3月、大阪)出場が控える。田沢主将は「冬に課題を克服して、春にいい結果を出したい」と、過去最高の全国8強超えを目標に掲げた。【中島正好】