虎の新戦力が、指揮官から13勝指令を受けた。オリックスからFAで阪神に移籍した西勇輝投手(28)が14日、大阪市内のホテルで入団会見を行った。同席した矢野監督が壇上でいきなり切り出した。

矢野監督 勝ちでは、12勝がマックス。(来季は)「13」は勝ってくれると思う。若手にも影響を及ぼすと思う。西らしくのびのびとやってほしい。

オリックスでの10年間で通算74勝をマーク。2ケタ勝利を5度も記録している。自己最多は14年の12勝で、移籍1年目から自己最多のノルマを課せられた。指揮官の期待の大きさに、西は満面の笑みでうなずいた。「勝ち星もそうですけど、実際あまり気にせずに、自分が(イニングを)投げることに全うすれば、(白星は)次第についてくる。自分の力を発揮できるように頑張っていけたら」。リーグが変わっても、自らのペースを崩さず、自然体で臨む考えだ。

自らは投球回の目標を掲げた。「コンスタントに7回を投げられる方がいい。チームのために一番、何が必要かを考えながら、160~180(イニング)を投げられれば…」。今季は先発投手陣の駒不足が、最下位転落の要因になった。自らの使命は理解している。「ここから身を引き締めて、自主トレを頑張り、キャンプを迎え、シーズンに入っていきたい」。穏やかな口調だったが、胸の内は熱い。背番号16のタテジマに袖を通した右腕が、チーム再建のため、黙々と腕を振る。【真柴健】