西武源田壮亮内野手(25)が「稼頭央バット」を継承する。9日、愛知・豊田にある古巣・トヨタ自動車の施設で自主トレを公開。守備練習では同社伝統のテニスノックを約1時間受け「この練習で社会人2年目はエラーゼロになった」とプロ入りの礎となった捕球感覚を確認した。打撃では3年目の進化を果たすため、昨季で現役引退した松井2軍監督と同型のバットで振り込んだ。

用具メーカーのゼット社に、長さ85センチと重さ890グラムは変えず、稼頭央モデルと同型のバットを依頼した。自身がプロ入りから使ってきた従来のバットと比べてグリップが細く、ヘッド寄りに重心がある形状だ。「当たれば強い打球は打てるけど、扱うのは難しいバット。まだ使いこなせていない。長打が打てるに越したことはない。挑戦です」。2月の春季キャンプ用に約1センチ短いバットもオーダー済みで、レジェンドから継承しつつ、したたかにアレンジまでもくろんでいる。

同じ遊撃手の大先輩として、昨季初めて一緒にプレーし「スーパースターと1年間野球ができて、いろんな話をさせてもらった」。バットを借りて打席に立った日本ハム戦(9月19日)で4号逆転3ラン。課題のパンチ力に光明を見いだしチャレンジを決めた。こだわりと柔軟性を併せ持つ源田流で、3年目に挑む。【栗田成芳】